Sediment Trap(ろ過装置)

装置の状態は目視でわかるでしょう。
もし、掃除が必要な状態でしたら、図にBで示してあるギザギザが施してあるナットを緩めてください。
そうすることにより、取り付けワイヤが一方の端に寄り、ガラス製の椀とワイヤーストレーナーが外れます。
ガラス椀はきれいなガソリンで洗い、きれいな布で拭きとります。
ストレーナーは圧縮空気できれいになるでしょう。
ろ過装置を交換するときは、空気が漏れるのを防ぐために、ポンプの下部にガスケットをかませて、固く締めなくてはなりません。

A:ろ過装置の椀(油受け)の部分
B:ろ過装置の椀の取り付けナット


Refilling System(燃料再充填システム)

燃料タンクのガソリンがなくなってしまったあとに、給油後、エンジンをスタートさせるのにポンプでガソリンを注入する必要はありません。
ガソリンが補給されたら、エンジンはいつもどうりの手順でかかります。
しかし、エンジンがかかるまでにスターターを回す時間はいつもよりも長くなります。
なぜならば、ガソリンがキャブレターに入るまでには、配管中の空気を排出しなくてはならないからです。


Carburetor(キャブレター)

キャブレターを調整するには、エンジンを始動させ、通常走行する温度にエンジンを温める必要があります。

スロットルを閉じて、[図10 B]のlockネジ(止めるための)とturningネジ(調節用回転ネジ)を緩めることでスロットルストップレバーを調整します。
出っ張らせるとエンジンの回転が減少し、引っ込ませるとエンジンの回転が上がります。
これというのは、停車している時にエンジンが回転を続けるためのもので、エンストを防ぐために行うものです。
スロットルストップレバーは、ハイギヤにおいて、約7~8マイル毎時で走行するように調整します。

次に、[図9 A]のmeteringピンをゆっくりと右に(ネジが進む方向)回していって、混合が偏ってエンジンがうまく回らなくなり始めたら止めます。
そうしたら、今度は、ゆっくりと左に(ネジが緩む方向)回していって、全てのシリンダーにおいてむらなく爆発が起きるようになったら止めます。
キャブレターの調整はこれだけです。この調整により、ガソリンと空気の混合比をエンジン出力範囲全体において、調節します。

エンジンに負荷がかかっていない(アイドリング状態)のときには、キャブレターは最大の性能と経済性になるようにセットされます。

キャブレターが調整されたら、変えません、さらなる調整は不要です。しかし、燃料や気温にハッキリとした変化があり、それを補正するための調整はしてください。

[図10 A]のスロットルキッカーネジはarmとネジの端との間に隙間があるようにセットします。armとはaccelerating ポンプレバーについており、そのレバーは、チョークワイヤとスターティングコントロールレバーによって動きます。この隙間は誰かがいじったりしなければ、注意を払うことは必要ありません。

Starting(始動)

スロットルが全開になっていては、エンジンはそう簡単にはかかりません。
スロットルに必要な動きは「チョークコントロール」の動きで機械的にコントロールされます。
スロットルを開けると、「primer(点火)チューブ」からの吸引が減少します。そして、キャブレターに組み込まれている「primer(点火)メカニズム」の効果が消えます。


For Best Results in the Winter(冬場のエンジン始動)

「heat controlボタン」と「チョークボタン」を全開に引っ張って(このとき、スロットルは開けてはいけません)、イグニッションをオンにして、クラッチペダルを踏みます。(これは、まだ固いミッションオイルの中に漬かっているギアをスターターが回転させる必要がないからです。)そして、スターターを踏みます。
もし、気温が低いなら、すべてのライトを消してください。(バッテリーの力をフルに利用するためです。)そして、チョークを全部引いた後、アクセルを2回か3回踏みます。これらは、スターターを踏む直前に行ってください。これらの動作は「primer」が行っているのとまったく同じように、ガソリンを「manifold」へ送り込みます。しかし、「primer」を使うことの効果はチョークを完全にひっこめたときにのみ有効になります。

注意ーチョークが完全に引っ張りだされている時に、アクセルを2,3回以上は踏まないでください。(2,3回以上でも調子がいいならそれも可です。経験的に良いとわかっていない限りは2,3回以上の踏み込みはやめてください。)
過度の点火行為はエンジンの始動を難しくしてしまいます。

High Test Gasoline(ハイオクガソリン)

グラハムエンジンを満足に動かすには、「High testガソリン」または「プレミアムガソリン」でなくてもいいのですが、それらを使うことによって、低い気温でも揮発性の高さにより容易に気化し、その気化のしやすさに応じてエンジンスタートが、より容易になります。

Air Cleaner(エアークリーナー)

エアークリーナーは「慣性」と「表面凝集」の原理で働きます。フィルターは、織られた銅の集合体が詰まった容器です。クリーナーエレメントはオイルで湿しておき、キャブレターに向かう空気中のは、ここで捕まえて、油で湿った表面に留めておきます。

この型のエアークリーナーの効率は高いです(塵で完全に目詰まりするまでは)。その結果として、エンジンを最もよく保護していくために、クリーナーエレメントは通常の使用環境においては1シーズンに最低4回、オイルを再塗布します。過酷な環境で使用する場合にはもっと頻繁に行います。

エレメントは比較的簡単にとてもきれいに洗えます。ガソリンを入れた容器の中でエレメントを上下に動かすと、ガソリンがクリーナーを上下に通過することできれいになります。洗浄後は、エレメントにオイルを塗布することが必要です。塗布の方法は、エレメント全体を廃油もしくは新しいオイルに浸し、余分なオイルが全部出るように十分な時間をかけて排出します。可能ならば、排出時間は一晩であるべきです。何故ならば、余分なオイルがほとんど完全に抜けるからです。


COOLING SYSTEM(冷却装置)

Adjustment of Fan Belt(ファンベルトの調整)

ブラケット(ファンをシリンダー部分に固定する役割を持つ)を通っているファンベルト(これはクランプボルトを緩めることによって装着された新しいベルト)の「張り」を増すことができます。ファンは、ベルトに十分な「張り」がでるような位置に調整されます。適当な「張り」は以下のように決定されます。まず、ベルトをまっすぐに(ベルトがたわむのに任せてまっすぐに)内側に押せるだけ押します。つぎに、出来るだけ外側に引っ張ります。最後にそれらのたわんだ幅の合計を測ります。この幅はおおよそ3インチとなるようにします。


Anti-Freeze Solution(不凍液)

アルコールGPAラジエターや水と混合した「Prestone」は申し分のない不凍液です。
アルコールはすぐに蒸発するものです。それなので、不凍液の強さを持続させるために、少量のアルコールを定期的に加えなければなりません。
アルコールはラッカーコートされている部分にはよくありません。もし、そういう塗装が施されている部品についたら、直ちに拭き取らなくてはなりません。

ラジエターグリセリンと「prestone」は蒸発しません。そして、ラッカー仕上げの塗装にも影響しません。しかし、それらは、ほんのわずかながら、アルコールよりも値段が高いです。
どんな不凍液であろうとも、クーリングシステムにそれらを注入する前に、ラジエターとシリンダーブロックとは徹底的に洗い流され、それらの結合部分は漏れがないように固くつながれているようでなくてはなりません。
機械保護のための液の量を表にして以下に示した。

表について
4 Quart で 1ガロン = 3.785リットル
1 Quart で 0.25ガロン = 0.9463リットル
これは、現在の換算値であり、正確な値は資料にはありません。


Care of Water Pump(水ポンプの世話)

シャフト周りにあるハウジングから水が漏れるのを防ぐために、ハウジングの両端にある「調整可能なパッキンナット」はグラファイト製のものが使われています。
[図11 E]の「フロントパッキンナット」は右ネジで、[図11 A]の「リアパッキンナット」は左ネジです。こういう仕組みは、シャフトの摩擦で起こるネジのゆるみを防止するために必要です。
パッキンは擦り減ります。そして、水漏れもこの「調整ナット」の部分から少しずつ起こっていきます。そうなった場合、単純ですが、ナットをシャフトが回る方向と同じ方向に締め直す必要があります。ナットが「ポンプハウジング」に達するくらいになってしまったら、パッキンを新しいものにしてください。

[図11]
A. ウォーターポンプ グランドナット
B. ウォーターポンプのシャフトのブッシングのための「Zerk Fitting」
C. ファンシャフトのクランプネジ
D. ロックナット
E. ウォーターポンプ グランドナット
F. ロックナット
G. タイミングチェーン用の調整ネジ
H. チェーン調整用ネジ用のロックナット


STARTING AND LIGHTING SYSTEM(始動とライト系)

Generator Charging Rate(発電機の充電割合)

最大の「charging rate(充電割合)」はライトを全て消して7~20アンペアです。もし時速40kmで走っている時に「charging rate」が7アンペアよりも落ちた場合(すべてのライトは消されていることとします)、「commutator電流転換器」を掃除し、「ブラシ」が正確に滑っているかどうかを精査します。

Care of Storage Battery(蓄電池の世話)

「蓄電池」は最寄りの「Willard Service Station」で登録しなければなりません。その後は、毎月1日と15日に比重計で試験して、十分に充電されたセルが1280~1300の間になければなりません。この読み取りをしている時に、比重計のシリンジから出した電解質は、同じセルに戻さなければなりません。もし、どのセルもその比重が1250を2日連続で下回ったらバッテリーは再充電しなくてはなりません。

少なくても、ひと月に2回は純水を蓄電池に加えます。バッテリー内の板は常に溶液に使っていなくてはなりません。そして、プレートの上3分の8インチの高さよりも液が減ったら、その高さよりも上になるように水を加えます。


Headlamps(ヘッドランプ)

ヘッドランプはフォーカスが固定されているタイプです。ランプバルブ中のフィラメントの位置は反射器との位置関係によって、自然に正確に決まります。なぜならば、バルブのソケットが非常に正確に作られているからです。そうであるため、ヘッドランプはフォーカシングの必要がないのですが、オーナー様の好みでライトのビームの向きは変えてください。(反射のための位置は不可変ですが、反射されたビームの方向は調整が必要です。)ビームの向きを変えるには、ランプのブラケットの下にあるナットを緩めて、左右に揺らしてみてやりたい位置にします。


Headlamp Rims(ヘッドランプのリム)

もしバルブを交換する必要がでたら、ヘッドランプのリムの下側の端に近いところにあるネジをひっこぬけば、リムが外せます。リムの下側の端は、外側に横ずれさせて、そして、上に持ち上げます。そうすることによって、ランプからリムが外れます。(リムをはずして、ランプをはずし、電球を取り替える。)


Light Fuses(ライトのヒューズ)

ライトが突然消えたら、それは、バルブが焼き切れたか、ライトのヒューズが飛んだか、ということになるかもしれません。一度に2つ以上のバルブが切れることはめったにありません。しかし、配線がショートしたらヒューズが飛んで、ライトは一つも点かないでしょう。このような保護的なヒューズは、短絡などが起きた場合にバッテリーが動作不能に陥ることを防ぐものです。

ヒューズボックスはダッシュパネルの「rear side後ろ側」にあります。追加のヒューズは回路として動作しているヒューズの上にあります。
短絡や他の原因の位置が特定されたら、切れたヒューズを予備ヒューズと交換することができます。

CLUTCH(クラッチ)

Adjustment of Clutch----all Models(クラッチの調整---全てのモデル)

「クラッチが効き始める前の」クラッチペダルの「遊び」は約1インチ(25.4mm)であるべきです。「遊び」を半インチ(12.7mm)よりも少なくすることは許されません。
もし、「遊び」が少なすぎてべダルがすぐに床についてしまうようだとすると、ライニングはフライホイールと「pressure ring」の間にあったままで、しっかりと押されないでしょう。そうなると、クラッチが滑り、結果として、面と「release bearing」の過剰な摩耗が引き起こされます。
そのような摩耗を防ぐためには、[図15 A]の「setネジ」をそんなに回さないようにして「遊び」を増やします。Aはクラッチペダルの下側の端っこについています。
クラッチ機構そのものはフライホイールハウジングの中にあり、調整する必要はまったくありません。が、バラバラのクラッチを組み立てるときは、正確な調整が必要となります。
(ここでいう「遊び」とはペダルを一杯に踏んでクラッチ板同士が離れている状態から、だんだんペダルにかかる力を緩めていってクラッチ板が十分に接触)

USEFUL DATA 役に立つデータ

31.25
部分名単位
シリンダーの数8
シリンダー内径79.3mm
ストロークの距離101.6mm
排気量4012.8cm^3
S.A.E.馬力(アメリカ自動車技術者協会基準)HP
燃料タンク容量68リットル
冷却液容量18.9リットル
クランクケース容量5.8リットル
トランスミッション容量1.6リットル
「フリーホイールユニット」容量0.8リットル
リアアスクルケース容量1.9リットル
リットル
リットル
リットル
部品を注文するときにはエンジンとシャーシの型番を知らせてくれることが重要です。 エンジンの型番はエンジンの側面にあるプレートに見て取れます。 シャーシの型番が打刻されている場所は次のうちのどちらかです。ひとつは、右の後部ドア付近のフロアマットの下で、もうひとつは、前部座席のクッションの下です。

Standard Warranty標準的な品質保証

この文書は次のことを証明します。我々アメリカミシガン州デトロイトのグラハムピアジェモータースコーポレーションは、この車に乗っていただくひとりひとりのお客様に、私たちが作り出した自動車の品質を保証してさしあげます。通常の使用と通常のメンテナンスサービスを行っていただいている場合において、技術面の欠陥や材料の欠陥から生じる不具合でからお客様をお守りします。 保証上の私たちの義務といたしましては、私たちの工場で作った良品、あるいは自動車製造会社によって作られた商用のアクセサリーや備品(タイヤを除く)に限らさせていただきます。そして、その保証が有効なのは、新車が届いてから90日以内、あるいは新車が4000マイル走るまでに、最初の不具合が起きた場合に限られます。その場合、故障地点から、私たちの工場までの移動となりますが、その移動費用はお客様に負担していただきます。そして、検査をして私たち自信が納得いくまで調査をし、欠陥を明らかにする所存であります。 弊社の部品に関するこの品質保証は、今までに発表されていたり、暗示されている他の保証の代わりとなるものであり、義務や責任につきましても同様に代わりになるものであります。 我々は自動車の販売に際して、販売当事者ではなく第三者に、私たちがあらゆる責任を負うことを、権利や義務として認めません。

過去に修理された車、グラハムサービスの認定工場以外で修理(走行安定性や信頼性に影響を及ぼす技術者の判断で行われたもの)が行われた車、もちろん、事故や誤った使い方やメンテナンスしないなどで起こる不具合を持った車、そういった車全部に対してこの品質保証が適応されるものではありません。

以上を証明するものといたしまして、資格のある認定役員が、品質保証書に署名を入れることを、弊社では行ってきております。

アメリカ合衆国ミシガン州デトロイト
グラハム-ピアジェモータコーポレーション


Introductionイントロダクション

この本の目的は、オーナーや運転者の皆さんが最良の恩恵をこの車から受けることを手助けすることです。そして、難しさを取り除いた方法で、モータリゼーションの喜びが増すようにお手伝いすることです。
この本では修理に関する事柄はどの範囲においても、議論されてはいません。グラハムの車は、「合理的なケアが頻繁な修理の必要性を無くしていく」ように、デザインされ組み立てられています。とはいっても、事故、メンテナンスの手抜き、酷使など、いろいろな原因で、お近くのグラハム-ピアジェサービス工場がお力添えにならなくてはならないときもあるはずです。

非標準部品とは、しばしば、異なるデザインだったり、二流の材料を使ったりしているものを指します。オーナーの皆さんは純正パーツの使用が、もっとも経済的で満足のいくものだということが、わかるようになると私たちは考えます。これら純正パーツが欲しい時にはいつでも、どこのグラハム-ピアジェのサービス工場でも入手可能です。

SCHEDULE OF LUBRICATION給脂のスケジュール

エンジン------オイルレベルを見る

オイルレベルゲージの棒はエンジンの右側面にあります。ゲージ棒を引き抜き、一度拭いてからもう一度差し込みます。 再びロッドを抜いて、もし、オイルレベルがロッドに記してある「upperマーク」よりも下にあれば、ロッドに記してある「満タンマーク」までオイルを十分につぎ足します。この「オイルレベル」は毎日確認してください。遠出の時はより頻繁に確認してください。
オイルが汚れたり、薄まったりした時はいつでも、「オイルパン」の底についているドレインプラグからオイルを抜いて、新しいオイルに交換してください。そして、これらのことは、エンジンが温かい時に行ってください。
ドレインプラグは確実に交換されますことも理解してください。